ええ。小心者ですから・・・。

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天色恋々歌(あまいろれんれんか)


天色恋々歌(あまいろれんれんか)◆序章◆

2013.10.28  *Edit 
▽TB[0]▽CO[0]

こちらは臣×啓太の完全パラレルになります。
もはや本家のかけらも存在しません。
本当に申し訳ない設定になっておりますので、
なんでもOK!!ばっちこーーーーーーい!!なお嬢様のみお進みください




天色恋々歌(あまいろれんれんか)
◆序章◆









頭が酷く痛む。
ああ。そうか。
今日は新月だ。

本当に
こんなふうに月のない夜は大嫌いだ。



:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

げしゃゃゃあああああああああああっっ!!!

新月の袋小路。
ジジ・・と音を立てて揺れる、外灯の光が届かぬ暗闇に追いつめられたその塊りは、
大きく奇怪な咆哮をまた一つあげた。
さっきまで僅かに人の形をとっていた影は、もろもろと崩れ始めて
そこらじゅうに鼻が曲がるような異臭と、体液にあたるであろう緑色の液体を
噴水の様に惜しげもなく撒き散らしている。

「臣!!もう持たん!!さっさと切れ!!」

「――っ」

「何をもたもたしているっ!!臣っ!!早くしろっ」

確実にいら立ちの混じった声は、ぶよぶよと収縮してはうごめく影の前に抜刀して、
対峙したままの、人影に浴びせられたものだ。

「臣!!」

身の丈ほどもある、ぬめるような刃波を持つ長刀を剥き身にしたまま 
化け物の真正面に陣取るその人物にはどうやら何か、不具合が生じているらしかった。

この激しい戦いの中に在って尚、まだ白い手袋にきつく握りしめられた
妖しく美しい長刀は月の光を浴び、ぼう、と輝く。
それを上段に構えたまま、彼人の背中は微動だにしない。

その間にも、彼の鼻先で崩れ始めていたその塊りは、
先刻より更に勢いを増して奇声と液体をそこらへばら撒き続け、
収縮と膨張を繰り返し、じりじりと距離を狭めてくる。 

刹那。 
物体の内側から爆発的な力が生まれ、形が一層大きく歪んだ瞬間
ソレは人間の様に呆けた顔をして天空を仰ぎ見た。
笑ったようにも見えるその顔は次の瞬間、たちまち眼も潰れる様な閃光に包まれて
対峙した人物もろとも、大爆音に歪んだ空間に消えてしまったのだった。

「臣―――――――――っ!!!」

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

ああ・・・なんと清浄な空気だろう。
僅かな淀みも無い。
実に心地いい、凛として澄み切った空気。 
いつの間にかあんなにひどかった頭痛も消えている。

・・・やはり 僕はもう死んでしまったんでしょうか?

誰に聞くともなしに問うてみたが、返答はどこからも返ってはこなかった。
そう思えば今朝、寝起きが悪かった。
また、あの夢を見た所為かも知れない。
そのせいでなんだか頭痛が酷かったような気がする。
重苦しい気持ちのまま着替えた軍服は、いつも以上に窮屈で
もともと大嫌いだった詰襟が、今朝はことさら苦しく感じられたのだ。

・・・郁は・・怒っているでしょうねぇ・・・・

仕事の相棒でもあり唯一の幼馴染である彼が、
秀麗な顔を惜しげも無く歪ませて、悪態を付く様が眼に浮かぶ。
きっと自分の事を役立たずと柳眉を逆立てて、罵っているに違いない。
だがしかし、結構な時間を共にしてきた間柄だ。
若い身の上で、早々に天国に旅立ってしまった自分に
ほんの少し位は涙してくれると良いのだけれど。

・・・・天・・・国??・・・・・・

はた、と自分が考え付いた答えに違和感を感じて、
理由を確かめようとしたその人物は、
混乱しかけている思考の整理をすることにしたようだ。

・・・。

だが眼を開けて、ここがどこなのか確かめようとしても
目蓋の筋肉にさっぱり力が入らなかったし、おまけに手も足も
神経が途切れたかの様にまったく感覚が無い事に気づき、しばし愕然とする。
やがて彼は少し経ってから、滅入る一方の気分を無理やりに取り直し、
覚えている限りの記憶をさかのぼってみる事にしたようだ。

収縮を繰り返すあの物体の前で、無様にも突っ立ったまま爆風に飲まれた事は
確実に覚えていて、恐らくは与えられた任務に失敗しただろう事も、十分自覚している。
当然、それがどんな結果を招くのかも認識済みだ。
常識的に考えて助かる筈も無い。

恐らくは衝撃に耐えきれず、胴体から離れた手足は小さな肉片となって
其処らへ散りじりになったんだろう。
弾け飛んだ臓腑は形状を留めず、ただの肉塊へと変わったに違いない。
いや、それならば拾い集めて棺桶へ入れられる分、幾分ましだろうか?
うっすらと人型を思わせる焼け焦げた影のみを残して、
遠く黄泉の国へと旅出っていった同僚を、今まで幾人も見送って来た記憶が蘇り、
彼の胸に、ほんの少しだけ寂しさがこみ上げた。

・・・僕もとうとう天国の住人の仲間入り・・ですか・・・

嗚呼・・・と青年は小さく思考だけで嘆息した。
これは我ながら随分と滑稽な妄想ではないか、と。
もしかすると爆風と、あの汚らしい瘴気に当てられて、
脳が著しく損傷しているのかもしれない。
そうでなければこんな能天気な考えは、本来、自分の中に存在しうる筈が無かったし
そもそも自分で言うのもどうかと思うが、今までの人生を顧みて 
果たして己れが天国に招かれても良い人物か?と問われれば 
残念ながら閉口するしかないのが悲しい現実だったのだ。

・・・・・まあどっちかと言えば、地獄の方が僕には相応しいですかねぇ・・。

だが、そうかといって世に言う「地獄」にやって来たわりには、
吸気した空気がことのほか澄んでいて、清冽な印象だけが残る。
本当に今、自分はどこに居るのだろうか。

・・うーん・・・特別枠?・・とか・・そう言うのがあったり?・・・して??

ふふ・・・と今度は思考のみで笑う。
自由が全く利かず、痛みを微塵も感じていないこの身体は、
辛うじて、肺へ空気が取り込まれているだけだ。
もはや死出の旅へと出かけるのも時間の問題かと、
半ば諦めにも似た結論を適当に付けた青年は、ついに思考するのを止めてしまった。

・・・?・・・

その時、僅かだが人の気配を感じ、話し声もその耳に届いた事で
聴力がまだ機能しているのを実感する。

「おや・・・また、どうしてこのような所へ・・」

「・・だって・・・・・」

「お世話は私共がおります故、ご安心召され・・・」

「・・うん・・・でも・・」

「やれ、まあ仕様のない方じゃ・・・」

「・・・我儘言ってごめんね・・・ああ、でもなんて綺麗な人・・・」

うっとりとした吐息と共に、不意に顔へとむず痒さが落ちてくる。
どうやら「誰か」が断りもなしに、自分の頬へ「触れて」いるようだ。

・・・・?!・・・

瞬間、青年の身体に感覚の波が立った。
それは触れられた個所から波紋の様に体中へ広がり、
明らかにそれに呼応して、四肢の感覚を劇的に取り戻していくのだ。
どうやら手足は未だこの体に存在しているようだ。


初め、感じられた気配は二つ。
内容はよく聞き取れないが、わずかばかり会話を交わして
一人はここを去り、一人は残って自分の側へ腰を下ろしたようだ。
留まった人物は、この場所の清浄な空気と同じく殺気は一切感じられない。


もしかすると、この人物が自分を助けてくれたのかもしれない、等と言う
かなり漠然とした考えが頭をよぎり、青年は感覚の戻りつつある身体を動かそうと試みた。
自分が一体どんな状況に置かれているのか、知りたくなったのだ。

だがしかし、どうやら戻ったのは聴覚と触覚のみらしく
やっぱり起き上がる事も、声を出して尋ねる事も一向に出来ず終いだ。

一人、イライラとした気持ちばかりを巡らせていると、
その間にも側にいるその誰かは、こちらが全く動けないのを良いことに、
羽根の様にふわりふわり・・と自分の顔へ指を躍らせてくる。 

それは輪郭をなぞってから頬をくすぐり、目蓋へたどり着くと 
優しく慈しむように撫でさすって。

「大丈夫・・・大丈夫。・・」

感覚のみで判断するなら、どうやら声の主は自分の顔のすぐ近く 
もはや息も触れる程に側にいるようだ。
それはまるで幼子に子守唄を唄う様に、優しくつぶやきあやすように撫で摩る。

・・・・温かい・・・・

誰かに触れられる事など煩わしいばかりで、
もうここ何年も記憶にないその青年にとって、それは大層不思議な感覚だった。


青年は他人との接触が酷く不得手だ。
無理をすると途端に気分が悪くなり、酷い頭痛に襲われ、
挙句、めまいや耳鳴りが止まなくなるのだ。
それは特別な理由もなく、物心ついた時からそうだったとしか言えなくて
お互いの背後を任せ合うあの幼馴染の相棒にさえ、
肩同志が触れ合うその距離を許した事も無いのだった。

だがしかし、さっきから飽きる事無くゆるゆると繰り返し続けられる
この指先にはどうしてか、全くそんな不快な感情が湧いてくる気配はない。
それどころか、逆に安堵さえ覚えそうだ。

そんな思いもよらない不思議な心地よさに包まれた青年の意識は
いつしか、優しい言の葉に引きずられるように、ふわふわと浮き沈みを始め
意識の奥底へと深く深く沈みこんで行った。
そして、やがてたどり着いたのはもうずっと昔、
彼が無理やりに心の深層へと仕舞い込んだ情景だった。


霞のかかった草原にぽつんと一人佇む自分の耳に、遠くで近くで声が響く。
幾度も己の名を呼ばうその声は、いつだって甘く優しく、そして少し切ない。 
その声を聞けば、決まって酷く胸が苦しくなって仕方が無くなる。
多分。
・・・そう多分自分はその声の主をよく知っている。

濃紺の夜空に、天駈ける星たちを見上げた事を覚えてる。
入道雲に届きそうだと、大きな杉の木のてっぺんに登って手を伸ばしたことを覚えてる。
満開の桜の花びらの中に、消えてしまいそうになるその細い肩を覚えてる。
そして銀色の雪原の強い逆光を受け、一人立ち尽くすその美しさを覚えてる。
だけれど、覚えているのは後姿ばかりで。
振り向いたその人がどんな顔で、本当は一体どこの誰なのか、全く思い出せないのだ。

自分は此処だ。
此処にいるのだ。
声の限りその人の名を呼びたくても、それは喉の奥にピタリと張り付いたままだ。

・・・貴方は・・・一体、誰・・・ですか・・・・

それは封印した夢への問いかけだったのか。
それとも優しい指の持ち主への問い掛けだったのか。
自覚する間も無くやがてその身体は、水にたゆとうような安らぎと
満足感を覚え、深い眠りへ落ちて行ったのだった。




ここまで読んで下さってありがとうございます。
イロイロ中途半端ですが、また新しいお話に手をつけちゃいましたー 
えへ。(笑)
書き書きし始めたのはなんと去年なので、珍しいことに大まかなメドはついております。
なので、今回こそはサクサクUPするぞーと意気込んでおります。
まあ、最終推敲に超時間がかかる奴なので、何とも言えませんが(笑)
↑すでに弱気。

今回の時代設定は大正時代初期のイメージです♪
大和和紀先生の「は/い/か/ら/さ/ん/が/通/る」的な・・・
うわー・・・それにしても上記作品をご存知の方はどれくらい
いらっしゃるんでしょうか~???
年齢層が丸わかりですねえ(笑)

じゅえるは臣さんにどうしても軍服を着せたかった。
そんで日本刀を持たせたかった。
ただそれだけの為にこのお話は生まれましたー(笑)

軍服、日本刀・・・とくれば、あとはうふふ・・・。
じゅえるの熟年厨二炸裂!!の公式。
どうか今回も、御本家様完全無視でお届けする
暴走じゅえるを大きな心でお許しくださいませ。


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