ええ。小心者ですから・・・。

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天色恋々歌(あまいろれんれんか)


天色恋々歌 ◆弐の巻◆

2013.11.26  *Edit 
▽TB[0]▽CO[0]

こちらは臣×啓太の完全パラレルになります。
もはや本家のかけらも存在しません。
本当に申し訳ない設定になっておりますので、
なんでもOK!!
ばっちこーーーーーーい!!なお嬢様のみお進みください


天色恋々歌(あまいろれんれんか)
◆弐の巻◆







エリック・ジャンメール。
軍にありながら、著名な学者であり続ける彼は自由をこよなく愛し、
時として一風変わった提言やら、行動やらを披露しては辺りを大混乱に巻き込んでいた。

しかし、万人が見ればかなり斜め上行くその言動。
それがいつだって間違った結果へは、決してたどり着かないというのだから
摩訶不思議な事もあったものである。

それ故に、本人が地位や名誉に何の興味も示さないにもかかわらず、
軍部ではかなり高位の中将という階級を預けられているのも、
過去のその奇妙奇天烈な言動が全てにおいてこれ以上無い程、
完璧な結末を迎えたことによる正統な評価なのだ。



ああもう・・・イヤな予感しかしない・・・。

臣は、柄にもなく口端を著しく引きつらせていた。
それもその筈。
夜明け前の空の色に似た父の菫色の瞳は今、少年の様に輝いて
何か酷くわくわくする!!・・・と言わんばかりだったからだ。
本当にこんな表情をする時の父は、ロクな事をした試しが無い。

「まあ、細かな調整は全部私がやっておくから、君はのんびりしてるといいよ・・・。
さてとぉ・・これから忙しくなるねぇ」

「・・・ところで中将殿。お相手は一体どなたなのですか?」

ふんふんと鼻歌を歌い始めた秀麗な男を翡翠色の眼が追った。
さっきから事の成り行きを黙って聞いていた西園寺が、
ソファに沈めていた上体をゆっくりと起こしながら、ようやく口を開いたのだ。

その口調が穏やかで、かなり飛躍した彼の言動に別段驚いた風でも無いのは、
幼いころから彼の人の、自由人っぷリを常に目の当たりにしてきた年期と、
直属の部下が持つ免疫が成せる技なのだろう。

「ふっふっふっ・・西園寺君っ!! よくぞ聞いてくれたねえ」

待ってましたと言わんばかりにくわっ!!と、眼を輝かせたエリックは
随分と勿体をつけて息子の婚約者の正体を口にして見せた。

「なんと!臣の花嫁さんは・・・妖狐の長のご子息なんだよ~!?」

「????はあああああ????」

二人の会話を引き裂いたのは誰あろう、話題の渦中その人の声だ。
だけれど、もしかすると生れて初めてあげたかもしれない
彼の素っ頓狂な声はまるっと無視され、父親と幼馴染の会話は
何気ない世間話の様に続行中だ。

「ほほう・・・・あの妖狐ですか?」

「そ。妖界の超大物さ」

「確かに・・妖狐は親人間派と聞きますね・・しかしまた・・大胆な事だ」

「でしょ?これで諸々が一気に片付けば軍も用無し、平和解決万々歳だけどねぇ・・」

「そうですね。さて・・吉と出るか凶とでるか・・・実に興味深い。」

「うんうん・・そうでしょ?そうでしょ?僕も楽しみで仕方なくって・・」

それは正にご婦人方の井戸端会議よろしく、
鼻を突き合わせにやにや、こそこそと話しこむ二人に
ついに張本人である臣が辛抱堪らず、再度大音量の声を上げた。

「ちょ・・・ちょっと!!!何なんですか??あなた達っ!!いい加減にしてください」

大体、誰が許嫁やら結婚を了承したというのか。
しかも、よりによって妖しと二世の契りを交わせと言う。
それに令嬢ならまだしも、子息ってなんだ。子息って!!
何処をどう取っても突っ込みどころが多すぎるだろう。

喉元までそう出かかった臣だったけれど、
なら令嬢なら文句はないんだな?といつだって無駄に冷静で優秀な幼馴染に、
唯一残された退路を断たれそうで、迂闊に二の句を継ぐ事が出来ない。
だけれど、かと言ってこのまま置いてきぼりをくらっては
何か取り返しのつかない事になりそうで、酷く不安だ。

臣は無言のまま、思考を高速で展開させた。
国家と国家の橋渡しに政略結婚が用いられるのは、今も昔も常套の策だ。
午後の穏やかな日差しの中、茶を啜りながらの随分と気易い会話のやり取りが
続けられてはいるが、これは両政府の最重要機密事項として
相当に長い時間をかけ、水面下で慎重にやり取りされた事だろう。


両政府に平和条約が締結されてもうすぐ10年。
国交が正常化され、貨幣や輸出入の規制も緩和されて、
政治、経済供にようやく安定の兆しを見せて来た所だ。
ここらでより確固たる関係を結び、両国の後世の憂いが一気に払拭される事になれば、
まさに大業を成し遂げたと言えるだろう。

だが正直、純粋に両国の和平を望むそれをはるかに上回る、よからぬ思惑と
国家規模の多大な利権が見え隠れするのも事実だ。
大貴族であり、優秀な実業家でもある西園寺の父親が忙しいと言った理由も頷ける。

冷静に考えれば考えるほど、いとも簡単にある一つの疑問にぶち当たって
臣はさらに眉間の皺を深くさせた。

でも・・・何故僕が・・・・?

これだけが全くもって腑に落ちない。
相手は古より妖界の最高位にある妖孤族だ。
人間界で言えばその身分は間違いなく王族にあたるはずで、
伴侶の人選にあたり、それに釣り合う家柄と品格が求められたのは必定。

だがその資格を余すことなく満たす政府高官や貴族階級の独身男性、
もしくはその子息、となれば抽出範囲も狭く、比較的選定作業は簡単だった筈だ。

社交界に相当疎い自分にさえ、すぐさまその条件に各当しそうな人物の顔が数名、
容易に浮かぶ。勿論、目の前で父と優雅に茶を啜るこの幼馴染の顔も込みで、だ。

確かに、七条家は代々件の妖刀を守る血筋としての歴史は古い。
でも、只それだけなのだ。
今でこそ、父親であるエリックが軍上層部の高官を拝命しているが、
血筋を遡れば『一、祓い屋』に過ぎない。
条約締結国の王族を迎えると言うなら、今まさに眼前に優雅に座る
この美貌の幼馴染の方が自分よりも百万倍ふさわしいと言えるだろう。

・・・いや、もはや適任・・・。

そう、喉まで出そうになった言葉を寸でで飲み込んだ臣は、
指の先まで優雅な友人へ、じとり。と陰湿な視線を送ったのだった。


国交正常化に伴って異種間同士の婚姻はすでに当初から認められており、
実際、多くの人間と妖魔との夫婦が誕生していた。
しかし、それは人界ではさながら一般人にあたる比較的妖力の弱い妖と
人間との場合のみで、今回の様に妖力の強大なモノが人界へと渡るのは
前代未聞の事例だ。
噂によれば、妖孤族は妖の中でもことのほか高潔な種族と聞く。
一族の長の子息であれば、その矜持はいか程のものだろうか。
数時間程度の夜会ならハリボテの体裁を取り繕う事もまあ可能だが、
今回ばかりは訳が違う。
幼いころからその分野を特に苦手としてきた自分にとって、
其処のみを特化して期待されるという状況は、本当になんとも皮肉な事だ。

家柄が突出している訳でもない。
恋愛経験が豊富で、恋人を喜ばせる手練手管を持ち合わせている訳でもない。
ましてや色事に長けている訳でも更々ない。
本当にどうして自分に白羽の矢が立てられたのか、全く理解できない。
せめて理由だけでも聞くことが出来たなら、的確な答えを出せそうなものを。
そう思いかけて、臣は苦笑いを浮かべて頭を振った。

どうせ「否」と口にした所で、軍に籍を置くこの身では、
国家単位の企てに対して意見する事も許されまい。
第一、仮にこの話がご破算にでもなれば、人界と妖界にまた新たな火種がくすぶりかねないのだ。
そうなれば、今まで命を賭して両界の平和を願ってきた先人たちや
若くして殉職していった同僚達の苦労が、哀れ水泡に帰す事になる。 

ふう・・・と、そこまで考えてから小さな溜息を漏らした臣はゆっくりと目を閉じた。
つまりは何事も国の為。
言うなればこの問題は最初から、一個人の意見や感情など全くもって尊重される事などないのだ。

・・・そう・・・解っている。
臣にだってそれ位、とっくに理解出来ている。
だがしかし理解はできるが、納得はしていない。
それが本当の胸の内だった。

臣は瞑目したまま、僅かも微動だにする事が無かった。
求める最良の答えが一体何なのか、いつまでたっても見つけられないままなのだ。

だがその晩、当の本人の意向は完全に無視されたまま、
両国家の命運を左右しかねない縁談話は、かなり強引につつがなくまとめられたのだった。





ここまで読んで下さってありがとうございます!!
すみません。まだ啓太君が出てきておりませんね。
ですが、こちらは確実に臣啓作品ですのでご安心を(笑)

今回の作品のコンセプトは「啓太君を愛でよう~」です。
拙宅の指図書は通常ですと、攻様の美しさやら艶っぽさ的な事を
いかに上手く表現するか??に重点が置かれております(一応ね)
なので、今回はじゅえるの初めての試みとして、
いかに啓太君の天使っぷりが表現できるか??に
挑戦してまいりたいと思っておりますー。
どうぞ温かい目で見守ってやってくださいませ。

お付き合いどうもありがとうございました。
また、お暇なときはぜひ、遊びにいらしてくださいませ。


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