ええ。小心者ですから・・・。

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空~初書き~


~空~  1

2010.03.14  *Edit 
▽TB[0]▽CO[0]

砂に足を取られながら歩いていく。
その日は雲が垂れこめた日曜日だった。

流れる雲を気にしながら せっかくの海なのに・・・と僕の恋人は小さく呟いて
ほんの少しだけ口をとがらせて下をむいてしまった。

ねえ、ほら顔をあげてください。
天気なんてどうだっていいんです。
君とふたりこうしていられるのなら。

そう言ったら又 笑われてしまうのだろうか?
雲が太陽を隠すと肌寒くなることや、風に温度がある事。
ざぶざぶと押し寄せる波に一つとして同じものがない事。
そんな当たり前のことを僕に教えてくれた君。
いままでそんなことはどうでも良かった。
そんなことは別に生きていく上で特に重要とされることではなかったし、上手く理解できなかった。
・・・。君と出会うまで。

いつの間にか僕より少し前を歩く君は後ろに手を組んで、眼を細め海風を楽しんでいる。
風が柔らかい君の明るい髪をふわふわ撫でて、少し伸びた前髪が君の表情を隠した。

僕は少し立ち止まってみる。
君は気づかずゆっくりと先を歩いていく。
波の音が聞こえない。
ねえ気が付いていますか?先に一人で行ってしまわないでください。

砂が足に纏わりついて上手く足を運べなくなってきた。
僕はココにいるんです。
一人にしないでください。

指先に力が入らない。
冷たく冷たくなっていく。
震える手のひらを押さえつけるようにもう片方の手で強くつかんでみる。
君のことを思うだけでこんなにも弱くなってしまう自分と
君のためならば、きっとどんな事だってしてしまいそうな自分がいる。

怖い。怖い。怖い。

ほんの少しの距離が僕らを隔ててしまいそうで。

君の心も身体も、欲しくて欲しくて気が狂いそうになる。
僕は僕で、君は君なのに。
感覚では理解している、けれど・・・
脳が身体が納得してくれない。

君が欲しい。
君だけしかいらない。


一つになりたい。
全て自分のモノにしてしまいたい。
僕の中に取り込んでしまいたい。
誰の目にも触れさせず誰の声も聞かせず 
誰の・・・。

なんだろう・・・。
口の中がカラカラで上手く唾液が飲み込めない。
それでも無理やり ごくり。とほんの少しの唾液を嚥下する。 

こんな僕の心をきっと君は知らない。
この穢れた思いを知ってしまったなら
愛しくて堪らない君はまだ僕の傍にいてくれるのだろうか?

それともやはり・・・やはり・・・やはり。

そうだ、呪文を唱えよう。
例えば、いつか君が僕の隣から居なくなってしまっても大丈夫。
大丈夫。
・・・僕は生きていける。多分。きっと。
何度も自分に言い聞かせる。 
君が・・・・そう、たとえ僕を忘れてしまっても。

今日のこの空が覚えていてくれるならそれでいい。
僕の隣を歩いていた君の事を覚えていてくれるなら。
また一人になってしまうことがあっても大丈夫。
この世の終わりまで、変わらないこの空が覚えていてくれる。

ああ。
呪文はあと何遍繰り返したら効いてくるのだろうか?
すっかり冷たくなってしまった手のひらを閉じたり開いたりして、体温を戻そうとしてみる。
この手はまだ自分の意思で動く。
口の端だけに力を込めれば思った通りの笑顔になれる。

きっと君には気づかれな_______

「おーみーさーん!」

両頬がいやにひきつって
呪文を繰り返していた途中、君にみょーんと引っ張られていることに気がついた。

「いたいれふ・・いとうふん」

大して痛みも感じなかったけれど、ちょっと抗議をしてみた。
優しい恋人はすぐに慌てて指を離してくれるから。
いつの間にか鼻先が触れそうなくらいに近くに来ていた君の顔に
焦点を合わせるのが遅くなってしまったようだ。
瞬きを一つして視線をリセットすると
蒼い空がそこにあった。


「今、またなにか一人でぐるぐるしてたでしょ??」

眼の端がふにゃりと下がり、空の色がなくなった替わりに頬が桃色に染まる。

「ね?当たりました?俺だって少しは成長してるんですよー?」

ああ・・・。と少し呻いて僕はそれ切り何も言えなくなってしまった。

固まってしまった七条を不安げに啓太が見上げたまま、実は間違いだったのかなと焦りながら
さっき引っ張った頬を優しく撫でるとその手をぐいと引かれて胸に抱え込まれてしまった。
え? と目を見張る啓太をまるっと無視して
その長い指先で、柔らかな頬の形を目じりから確かめるようになぞっている。

確かめ終わった指先は少しの戸惑いもなく頤にかけられ 
くい・・・・と上向きにされてしまった。

口づけられたのだと啓太が気づくのには数秒かかってしまったようだ。
目を見開いて、されるがままになっていたのだから。
え?え?え~~~??
と自分が置かれている状況を把握した頃には、長く優しい指先は
柔らかな茶色の髪を弄ぶようにして、後頭部にしっかりと固定されたあとだった。

「ん・・く・・」

目を開いたままだったので恋人の薄紫の瞳と視線が交差してしまう。
ぼぼっと音を立てて耳まで赤くなった啓太が居たたまれず、慌てて目を閉じるのと
自分よりずっと広い恋人の胸元を両手で押しやるのは同時だったけれど、
そんなことは全くお構いなしで、柔らかな唇を七条は楽しんでいるようだった。

段々と深くなりつつある熱烈な唇に、本気で啓太がじたばたと抵抗し始めた時、
ようやく薄紫の瞳は離れて行ってくれたけれど・・・。

「おお、お、おみさんっ!!」

片方の手で口を覆いながら、
もう片方の手はブンブンと振り回し何も言わずに立っている恋人を非難する。
誰かが見てたらどうするんですか とか、外ではこんなことしないでってお願いしたのにっとか
プンプンと捲し立てているけれど・・・、

自分が言葉をかけてから何も言わなくなってしまった恋人を前にして、
段々と勢いをなくして拳が動かなくなり、その声が小さくなっていく。
 


蒼い、蒼い、僕だけの空がそこにあった。
深く暗い思いに囚われそうになっていた自分を救う為に唱えた呪文は、
さらに身体をがんじがらめにしてしまったようだ。
分かっている。
分かってはいたけれど、
恋人を思うとどうしても失うのが怖くて目を閉じて、心を閉じて立ち止まってしまう。
まだ確定する筈もない未来を思って悲しみにくれる事などないのに。
と いつも言ってくれる優しい恋人の言葉を忘れてしまうなんて。

何度も何度も僕を包むように呟いてくれたのに・・・。

この世の終わりまで続く空になら願いを託してもいいかと思った。
いつも恋人と僕の事を見つめているこの空なら覚えていてくれる。
そう思ったのに。
だけど、空は、本当の僕の空はココに、隣にある。

「僕も大概馬鹿ですね。」

いつの間やらすっかり勢いをなくして眉を八の字にしてしまっている最愛の人がここに居る。
こくん、と首をかしげ「?」と問いかけてくる。

「あ、あの臣さん?怒ってしまいましたか?」

「伊藤君。愛していますよ。」

会話のキャッチボールって何だっけ?啓太が思う間を与えることもさせずに
言うと同時に腰を引き、また恋人を七条は抱き込む。
茶色の癖っ毛のつむじ辺りに鼻を擦り付けて思いっきり息を吸い込んで安心する。

「ねえ伊藤君、ずっと覚えていてください。僕は君を愛していますよ。」

少しだけ力の入った恋人の腕に、啓太はさっき自分が感じていたことが外れていないことに気がついた。

臣さん・・・とわずかに身を捩り、頭一つ分長身の薄紫の瞳を見上げる。

「俺、忘れっぽいから、側にいてずっと言ってくれないと・・ダメ・・デスョ・・」

それは・・・後半なんとか言いきった感のある呟きだったけれど、
七条を救うには十分な言葉だったから。

「だから、ね?臣さん。大丈夫」

恋人がそう言ってくれるから。
ありがとう。伊藤君・・と呟いてから 
すりすりと啓太の頭に自分の頬を擦り付けてその温かさに甘えてみる。
潮の香りがふぁと鼻をくすぐった。

さっきまで全く聞こえていなかった潮騒が また七条の耳に届くようになった。
自分が呟く大丈夫と恋人が呟く大丈夫はこうも違うものかと笑えてくる。
いつだって、どうしたってこの空色の瞳をもつ恋人は自分を救ってくれる。
心から漏れてくる暗い思いさえ掬い取ってくれるのだ。

啓太の頭から名残惜しげに頬を離して溜息をちょっとだけ大げさに一つ。
そうすればまたこの愛して止まない恋人は、
必死になって如何に自分が七条の事を愛しているかを力説してくれるはずだ。
そう思うだけでさっきまで冷え切っていた指先に急に血流が蘇ってくる気がした。

ついばむような口づけを、柔らかな髪に一つ。
小さな額に一つ。
大切な僕の蒼に一つ。
頬にも一つ。
耳をわざと掠めて白い首筋に一つ・・・。
そして唇に・・・

「いたいれふ・・・いとうふん」

どうした事か、優しいはずの恋人は首まで真っ赤にして僕の頬をまた引っ張っていた。


もう砂に足を絡めとられることもない。
空に祈りをささげることもない。
僕の空はここにあるのだから。ここにしかないのだから。

僕だけの空はどこまでも蒼い。






くあああああああああああああ(>_<)
何だか支離滅裂な文章ですみません。
なんせ生まれて初めての作品でして・・・。
大変恥ずかしい事山盛りなのですが、記念&戒め(笑)にここに残してます。
読んでくださってありがとうございました~


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