ええ。小心者ですから・・・。

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臣嫁日和シリーズ


臣嫁日和番外編 ~湯けむり慕情大作戦~その2

2010.03.25  *Edit 
▽TB[0]▽CO[0]

巷でキレ者と噂されているこの美貌の社長も取り乱す事もあるんだと
少し離れたところに席を取っている社員たちが見たら、さぞかし驚いた事だろう

西園寺は若干頬を赤らめたまま、
啓太はあそこに泊まるのは初めてだったなと視線を合わせないようにもそもそと問いかけてみる。

「え?はい!俺あんなすごい所泊まれるなんて もうすっごい楽しみでっ!」
先ほどまでまとっていた艶は一気に霧散してしまって にっぱりとほほ笑む啓太の顔がそこにはあった。
内心ほっとする自分もいるが、残念に思う気持ちもある事は確かだ。

それにしても社長のご実家って旅館まで経営されていたんですね~
等と一人頷き、しきりと感心したそぶりを見せている。心はすでに宿へ一足早く、到着しているようだ。
そんな啓太を見て西園寺は今日こそは少しはゆっくり出来そうだな・・・
と読みかけの新聞へと又目を落とすのだった。


本日、西園寺社長率いる超精鋭集団はのんびりまったり 豪華社員旅行である。
年一度開催される社員旅行御一行様の本日の目的地は西園寺の実家が
直接経営運営する温泉旅館の一つだった。

別に経費をケチって身内の旅館にしたわけではない。
公平にそれぞれアンケートを取って希望を募る。
予約を取り付けるのは1年先。一見様お断り、6歳以下のお子様おことわりの
超高級VIP限定旅館・・・。「憧れの日本の有名温泉宿!!」堂々第一位の一般ピープルお断り、
ブルジョアジーのみご利用可・・・・

決まるべくしてこの旅館に決定した次第だ。
もちろん費用ははすべて会社持ち、また現地到着後の行動も各自、自由だ。
妻帯者は家族の同行をも許されている。
おまけに還元金と称して、つねに激務をこなし続ける社員たちへの
感謝の気持ちを込めた一時金まで出されるという徹底ぶりだった。

加えて西園寺は騒がしいのが嫌いだったから、煩わしい酒宴の席など設けられる筈もない。
ゆっくりと静養するためにわざわざ足を運んでいるのに 
そんなのに付き合うなんてどうかしている。
おのおのが思うがまま非日常を自由に過ごせばよいのだ。
・・・これが社員に猛烈に支持される西園寺の社員旅行における持論だった。

それにしたって、至れり尽くせりですね~と呑気に呟いた啓太に
「当然の報酬だ。戦闘員無くして戦争は出来ん」
にやりと不敵に笑いながら言う西園寺は、さしずめ指揮を執る元帥か。

学園の時に見たその不敵なほほ笑みより数倍は威力を増した横顔に、
積み上げられた実績への確実な自信を感じる。

「ふふ 飴と鞭だな。」ひっそりと呟く西園寺の言葉に
もやもやと啓太の頭の上に妄想の雲が広がってしまう。

しなる鞭を握りブーツの踵をグリグリと捕虜の腹に捻じり込ませている・・・

嗚呼、我らが西園寺様~!!崇拝する者たちの弩号が(しかも男限定)聞こえる・・・
麗しの将校姿の西園寺・・・・あの高笑いの何と美しい事か・・・あ、有りだ。完全に有りだ・・・

コレは仮装大賞どころではない 現実としてお目にかかるのも時間の問題の様な気がする。
ううう・・・ ブンブンと啓太は頭を振った。

啓太のとんでもない妄想も西園寺の思惑も 一切抜きにしてこんな素敵な社員旅行を
いったい誰が拒むだろうか
従業員たちは皆指折り数えて今日の この日を待っていた。
そうたった一人を除いては・・・・。


出発から2時間 新幹線のホームから中央改札口へ向かう。
駅の正面玄関へ着くと、迎えのバスとリムジン一台が待っていた。
社員と家族はバスへ、西園寺と啓太はリムジンへと乗り込み目的地を目指すのだ。

緑の回廊を抜け、木漏れ日の山道を登りその土地の奥座敷と言われる地に
温泉宿はあった。

ため息が出るほど完璧な調和を持って手入れされた 広大な日本庭園が広がる。
古く美しい書院造が静かに、しかし重厚な存在感を主張してそこにあった。
凛とした空気に思わず背筋が伸びる。
そこは離れがいくつも隣接して一つの宿泊施設を形成しており、
もちろん、各部屋にはそれそれ趣の違った露天風呂が完備されている。

完全に内部まで古めかしい室町様式ではなく、外観はそのままに
 尚且つ快適第一に設えられたネオジャパネスク様式だ。
各離れごとには専属の仲居が待機していると言う。

啓太はそれはもうびっくりしっぱなしでコクコクと 女将の説明に頷くしか出来なかった。

西園寺と別れ啓太が通された離れは二十帖と十二帖の続き間と室内風呂、
露天風呂のある部屋だった。これなら家族で宿泊しても十分な広さだ。
簡単な説明を仲居からされて小さな荷物を片付けてしまうと
西園寺と約束した夕食の時間まで 特にする事もなくなってしまった。
ぐるりと一旦室内を見渡すと啓太は早速部屋の探索をすることを決めたようだ。

臣さんもくれば良かったのに・・・・。
格調高い、引き戸を一枚あける度に
マンションに一人残してきた妻の事を思う。


毎年恒例の社員旅行の件を元社長秘書の奥様はもちろん知っていた。
啓太はてっきり二つ返事でOKが出るものと思っていたから、奥様から
「行きません」ときっぱり、すっぱり断りのセリフを聞いた時正直ビックリしてしまった。

啓太の奥様はデイトレーダーだ。それも凄腕。そんじょそこらのぺーぺーとは
訳が違う大物だ。

今は日本の市場と海外の市場をこなしているから昼も夜も忙しい。
だから、部屋にこもりきりで一日中パソコン画面とにらめっこ、一瞬たりとも目が離せない
・・・・・のは技術の無い者がする事だ。と臣が言う様に、
世の中便利になったもので小さな端末を持ち歩いていれば
いつ何時不測の事態が起こっても大抵は余裕で回避出来るのだ。

なのに、なのに奥様は超素敵社員旅行の申し出を断った。無料なのに!!
タダなのにい!

「えー!?臣さん何でですか?行きましょうよー」
と何度もお願いしてみたけれど
「行きませんったら、行きません」
と まったく聞く耳持ってくれなかった。
宥めてすかして、いろいろとやって見たけれど頑なに奥様は拒み続けた。
行きましょう? ね??。
嫌です。
行きましょうよーーー。
つーーーん。・・・・・・・
そして攻防は旅行当日まで続く羽目になったのだ。

本当は判っていた。
時々・・・本当に時々 完璧な俺の奥様は酷く面倒な時がある。
自分の思い描いたシナリオ通り順番に しかも正確に そのうえきちんと
事が運ばないと機嫌を損ねる。ちなみに大した事が原因ではないから余計悪い。 

今までだって何度かそのせいで喧嘩になった事があった。

そして今回も。何か・・・そう何かはわからないが奥様の中で納得できない何かが、
あったのだ。ものすごーく迷惑極まりない 面倒なご機嫌斜めだ。

でも、何故かちょっぴり嬉しい気持ちも啓太にはある 
あの学園で出会って付き合い始めた学生の頃は
ただあの人に優しく包み込まれるようにすべてから守られていた。
啓太の行動一つ一つ一つに全神経を使って、心を砕いてくれた。
自分の事はすべて犠牲にしても。

それは啓太にとって嬉しいけれど 悲しい かなり複雑なことでもあったのだ。
自分だって曲がりなりにも男だ。 
ただ深窓の姫君のように守られ背後に囲われているだけの存在では嫌だったし
パートナーとしていつでも対等に、共に手を取り並んで道を歩いて行きたかったから。
しばらくは臣がそれを許すことは無かったけれど。

二人の間に時間が流れて見て、段々とあの頃の臣は 
啓太を守る事によって臣自身を守っていたのだと言う事に気がつく事になる。
欲しい物を欲しいと口にする事無く、ただ、じっとそこに在るだけ。
前に進む事もなく、後ろに去ることもない。
痛みに耐え、それが通り過ぎるのをひたすら待つ。
小さくなって、耳を塞いで目を閉じてやり過ごす。
それが 今までの彼だったから・・・・。

だから 初めて自分が欲しいと心底思っていた物を手に入れて、どうしていいかわからなかったのだ。
失いたくなくて、ただ ただ壊れ物を扱うようにそっと啓太を身の内に囲い込むしか出来なかった。


だが今は違うのだ、欲しい物を好きなだけ欲しいと言ってくれる。
嫌な事は嫌だと言ってくれる。
自分に我儘をいってご機嫌斜めになるなんて芸当まで見せてくれるようになった。
あけすけに本当の自分を見せてくれる。それが啓太は嬉しいのだ。

いつだったか 西園寺にこの事を話したら

「ああ、悪い男に引っかかる駄目女の典型的な思考だな」
と気の毒そうに眉をひそめられて ふーっと大きな溜息を吐かれたっけ。
うーん 俺ってやっぱり間違ってるのかな~?

うーん でもいいや。
この旅行が終わったらケーキを買って帰ろう
小さな花束も忘れないで。
ただいまのキスの後に真っ先にごめんねを言おう
今はメールも電話も止めておこう
直接言葉を伝えたいから。
奥様のご機嫌を直すのは何てったってスウィーツに花束だ。
そんなのは世間一般常識だ。俺って冴えてる。

現金なものでなんだかそう考えるとさっきまで心の奥底に溜まっていた澱が消えて行くようだった。


素晴らしい部屋を探索し終わってもまだ時間はたっぷりあった。
せっかくだから、西園寺に共に席に着くよう言われている夕食の前に
露天風呂を頂いてしまおうと啓太はそそくさと準備を始めたのだった。

露天風呂の出入り口にある小さな脱衣所へ入り、衣類をぽぽいっと籠へ放り込む。
さてー露天露天~♪と鼻歌交じりでタオルを腰に巻き付けカラカラと引き戸を開け
冷たい石の上に足を一歩踏み出した。

______________________ 。と 
停電か、急に部屋の電気が消えてしまった。
この棟だけなのか?全館なのか? まあこんなに大きな宿泊施設だ。
非常時の自家発電がおそらくあるだろうからと慌てもしなかったが
取りあえず、専属の仲居さんに連絡をしてみようとタオルを腰に巻いたまま
 いったん脱衣所から客室へと出ようと手探りで前を進む。


「?!!!」
引き戸に手を掛けたその瞬間 暗闇で何者かに口を塞がれてしまった。
がっちりと後ろから羽交い絞めにされて身動きが取れない。
暴れてもびくともしない体格差に啓太は愕然とする。
一体どこから?一体いつから?

ここは高級旅館だ 宿泊客は富裕層に限られる。むしろ富裕層限定で作られた場所だ。
犯罪の標的になっても決して可笑しくは無い。
だが自分は確実に富裕層ではないし、いくら脅されても所持している金など微々たるものだ。
怒った犯人が凶行を行ったとしても不思議ではない。
一瞬で最悪の考えが頭に浮かぶ。
怖い・・・。

口をふさがれたまま身体を動かしてみるが然したる抵抗にはなっていないようだ。
「!!」
それどころか暗闇の不審者はあろうことか啓太の首筋にぬらり 
と唇を這わせてきた。
なにが起こっているのか分からないまま 恐怖と嫌悪で啓太の肌が粟立つ。

や、やだ!!やめてっ!!
もごもごと押さえられたままの口が大声を出そうとするが皮の手袋がそれを阻み
啓太の声を喉の奥に押しやる。
強く自由を求める身体を羽交い絞めにしたまま尚も うねうねと唇は動き、
ついに耳朶に到達してしまった。ねっとりと舐め上げられるのが心底気持ち悪かった。
何度も舌が行き来して、耳の穴も舌が犯し始めぐちぐちと奥まで舐めまわしていき
脳の中に直接響く水音に背筋が凍ってしまいそうだ
嫌だ!誰か!誰か助けて!!

いつのまにか小さく縮こまっている胸の尖りにもその大きな手は這わせられていて
探し当てると執拗に指先でこね回されていた。
ゆっくり ゆっくり何かを呼び起こすようにゆっくり
ぴり。と身体の芯にそれが届いた時。
嫌、嫌だ!!
啓太の愛撫に慣れた、もともと過敏な身体はそれを快感として受け止めてしまったのだ。
引っ張るように摘みあげ執拗にやわやわとしぼりあげる、
それが啓太の体の奥底に沈んでいる快感の波をどんどんと導き出す。
「ん・・ふ・・」
押さえつけられた、掌の間から空気が漏れる。
耳を 首を往復する不埒な舌が時々啓太の首筋を甘咬みし、
こねられる蕾が赤く大きく色づき始めたころ、
啓太の体から段々と抗う力が失せつつあった。

こんなの嫌だ。こんなのってない!!
頭を振って見るが頑強な手は外れる筈もなかった。

殆ど裸の啓太を守っているものはさっき腰に巻いた一枚のタオルしかなかったのに
 その僅かな抵抗のしるしも無情にも侵入者の手にはぎ取られてしまった。

確実に委縮してしまっている中心に快感を呼び起こすよう
指が 掌が 這いまわる。
その指は 其処ここにある啓太の持つ快楽の場所を狙って
うごめき確実に 啓太の熱を呼び起こしていく。

いつの間にか啓太の瞳には涙があふれていた。
こんなことされて泣くなんて男らしくないけれども、為すがままにされた上
嫌悪していながら、感じて反応しまっている自分が情けなかった

ぎゅっと目を閉じるとぽろぽろとそれは音を立てて畳に染みて行く。
臣さん!!助けて!!臣さん!!
「うう・・。く。」


きゃー啓太君 ピーンチ!!助けて~臣さーん


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