ええ。小心者ですから・・・。

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短編よみきり


おうちにかえろう

2010.04.09  *Edit 
▽TB[0]▽CO[0]

夕焼けに染まっていく 校舎。
何もかも オレンジ色に染め上げてゆっくりと太陽が沈んでいく。

七条さんと二人並んで歩くのは なんだか右肩のあたりがムズ痒い。
そっと横目で ちらり 大好きな人を見上げてみれば、
その色素の薄い髪も肌も長いまつ毛も 全部が夕日色に染まっていて。

(きれい・・)

とくん。
と ひとつ心臓が跳ねる。

大好きだ。
この人の事がどうしようもなく、大好きだ。
好きで好きで、大好きで。胸がどんどん苦しくなる。

幾つも口づけを交わして、もう何度も肌を重ね合ったのに。
ほんの些細な事がきっかけで 
大好きが、あふれてきて止まらなくなる。
こんなに大好きな事を一体どうやったら伝えられるんだろう。
 
「どうしました?伊藤君」
不意に名前を呼ばれたから。

もう鼻がくっつく位 側に顔があったなんて知らなかった。
自分でもわかるほど
 ボボン。
と顔が上気するのがかなり恥ずかしい。

「・・・いえ。あの・・なんでもないデス・・・」
かなりぎこちなく答えた俺を別段問い詰めるでもなく、ふわり 紫の瞳が笑ってる。

駄目だ。俺 どうしようもなく この人が好きだ。
綺麗な髪も、優しい瞳も、囁く声も、大きな手も・・・全部。全部

何も言わずに黙ってしまった俺に 七条さんは
ふふ。と笑いながら ちょいちょいと人差し指で後ろを指さした。

振り返れば オレンジ色の夕日に照らされて 長い長い影法師がふたつ。
俺と七条さんの足元から伸びていた。

「ねえ 伊藤君。影法師 仲良しですね?」
「??は?」
時々、大好きなこの人は頭が良すぎて 俺の理解の範疇を軽く超えた事をさらりと言う

「二人くっついて、幸せそうです」
にっこり 笑った七条さんはなんだか本当にとっても幸せそうに見えた。

「えっと・・。あの・・。」
どうしていいか解らないまま答えあぐねていると、

大きな手が 目の前に差し出された。
「手を・・・。」

「手?ですか?」
「はい。手 つないで帰りましょう?」

え??え?とワタワタして 良いとも悪いともまだ何も言ってないのに
七条さんはその長いきれいな指先で さっさと俺の手を包んでしまった。

「ふふ。僕たちも仲良しですね。」

視線が後ろを確認するようにと 促して グイっと手を引き寄せられたまま
後ろに伸びた影法師を振り向いて確認すると
さっきよりも寄り添って、影法師が伸びている。

「ね?」
と また笑うから。
「へへ。そうですね」
・・・。なんて。
なんだかつられて俺も笑ってしまっていた。

ほんと 七条さん 子供みたいだ。
こんな所も 俺、大好きなんだ。

二つ並んだ 長い長い影法師。
少しだけ照れくさいけれど じんわりと つないだ手から温かさがしみてくる。
もうすぐ 夕日は沈んでしまうけれど
寮までのほんのわずかな道のりを つないだ手はそのままで帰ろう。
二人で帰ろう。仲良く帰ろう。くっついて一つになった影法師を連れて。

そして少しだけ ゆっくり帰ろう。
 

俺と七条さんは二人して そのまま寮の玄関に着くまで 何故か何もしゃべらなかった。
だけど シッカリとつないだ手から あったかい体温と七条さんの大好きの気持ちが
伝わって来て俺を安心させる。
だから、きっとこの俺のあふれて困る 大好きも伝わったんじゃないかなと思う。

夕焼け色の空の中 二つ並んだ影法師 手と手をつないだ影法師.
何でもない 今日の日をずっとずーっと忘れない。
七条さんと過ごす 毎日が俺の宝物。

明日も 晴れるといいのにな。


夕焼け空は綺麗だけれど何だかさみしくなってしまって。
啓太君と七条さん。二人一緒なら毎日が記念日ね・・・。
何気ない日常の甘い一コマを書きたかったんですが・・・。
ムズカシイですねえ・・・。


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