ええ。小心者ですから・・・。

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臣嫁日和シリーズ


臣嫁日和番外編 ~湯けむり慕情大作戦~その4

2010.04.15  *Edit 
▽TB[0]▽CO[0]

ねぎあたまばかよめ・・・。

ねぎ?ねぎあたまって何だろう??
まあ・・バカ嫁呼ばわりされるのは今に始まった事じゃないけど。(←おいおい)
何に対しての頷きかは解らなかったけれど、うんうん・・・。と頷いて
じりじりと痺れる、感覚のマヒした足をなんとか崩しながら、
旦那様は隣に座っている奥様を心配そうに見上げた。
「頭・・平気ですか?」
奥様は さして表情も変えないまま 長い指でさすさすと腫れあがったコブを撫でている。
「また、叱られちゃいましたねえ」
 ふふふと楽しそうに呟くその様は 完全に人を小馬鹿にしていると
 さっき扉から物すごい剣幕で出て行った彼が見たら
更に コブが確実に量産されてしまいそうで怖い。


不意にヒヤリと自分の頭のてっぺんに気持ちの良い冷たさを感じて、仰ぎ見てみれば 
いつの間にか ハンカチを水に浸した旦那様が 
大好きな空色の瞳でこちらを心配そうにのぞき込んでいた。

「早く冷やさないと。」
ね?と こくんと首をかしげて慈しむようにほほ笑むと 臣の頭を丸ごと両手で包み込む。
さらさらの銀髪にぽこりと一つ腫れあがってしまった箇所に一つ口づけを落として、
「臣さん、ホントは何がしたかったの?」と 旦那様は優しく小さく問いかけた。

!!・・・・・・・。
えーっと・・・・・。あの・・・・。その・・・・・。

無言のまま、顔だけの筋肉で笑顔を支える。
こんな時あの学園で鍛えた顔面筋肉は思い通りに動いてくれて大変助かった。

実のところ『あなた!仕事と家庭一体どっちが大事なの??』的な事を
ほんのちょっとばかしやってみたかっただけだ。
テレビとかでやってるアレだ・・・・。
愛されている事なんて解りきっている事だけれど、家庭と仕事 両天秤にかけて

『仕事なんてどうでもいいです!!臣さんだけがいればいい!!』
『ああ!!愛してます!!旦那様~』
とかとか・・暑苦しくやってみたかっただけー。

・・・なんて・・・・・。
そんな事口が裂けても言えるわけないでーす。

と、全細胞を総動員してこの一件を誤魔化すべく
怪しい笑顔を張り付けたまま 奥様はひたすら考える。

そんなばかばかしい寸劇は温泉に行くだの、行かないだのの会話をしている段階で
簡単に叶えられる望みだったはずだ。
一体どこがどうなって こんなでかいコブまで作る羽目になったのか不思議だ。
うーん。完全に計算ミス。
さてさて、一体どこで間違えたんでしょ??

この恐ろしく訳の解らない理由(←自分でちゃんと解ってる)で結果的に
事件を巻き起こしてしまった事を、愛しい旦那様はもちろんの事、
あの憤懣やるかたない社長にバレテしまったら 今度こそ命の保証はなさそうだったから
 真実は奥様の超トップシークレット扱い、最重要機密にして永久極秘事項。
こりゃもう 墓場までもっていかなければならない秘密に決定だ。

例え、郁にムチ打ち刑に処されてもこればっかりは吐けないですねえ・・・・

などと考えながら今回の訂正箇所と今後の対策を同時進行して
考えてみたけれどミスした箇所はそう簡単に 見つかりそうになかった。

しかし今は それよりも大切な事がある。
旦那さまをどうにか誤魔化すのが先決だ。

真実を告げるとか、自分の考えを解ってもらうとかそんなことではなく
とにかく 猛烈に、とことん、何が何でも誤魔化すのだ。
うっかり、バレてしまった時の
怒りの旦那様の罰が何より奥様を震え上がらせるから・・・。

嗚呼。過去の苦い思い出がよみがえる。
前に叱られた時 計画していた事全て馬鹿正直に旦那様に白状したら
罰として1カ月のH禁止令が発令された。
さすがにこれには青くなって頭をこすりつけて土下座しまくり
1カ月から15日間の減刑にして頂いたのだが 
刑に服している15日間はこの上もなく辛く悲しい
まさに奥様にとっては地獄のような試練の日々だったのだ・・・・

可愛い僕の旦那様に手を出す事が出来ないだなんて!!
うう~。思い出すだけで、ほらもうなんだか涙が出ます・・・・。

もう あんなじれじれする体験はご免だ。
欲情したならすぐにでも味わいたい。
だってそれが夫婦じゃないかー!!

平身低頭、額を擦りむくほどに 平謝りに謝って 
土下座して済むものならば幾らでもする。
それが旦那様の美味しい肉体絡みなら 最優先事項だ。
プライドなんてクソくらえ!!
旦那様の身体 至上主義!!
旦那様の体に勝るものな―――――し!!
その為ならば何だって!!神に叛く事になってしまっても
僕はやり遂げるので――――――――す!!

正座している膝の上、鼻息荒い奥様の大変間違った決意と共に 
両方の握りこぶしに 無言のまま力が入る。

ん~・・・。
ですが、今回は結果的に仲直り出来たし、露天風呂にも入れたし、
第一可愛い旦那さまをたっぷりねっとり堪能できたから自分的には慰安旅行になった。

意外と有意義に過ごせたかもしれない・・・ふむ・・・・。
この事案の失敗の原因究明はまあプラスマイナス「ゼロ」とするか・・・・。
と瞬時に心の中の奥様データに書き込みを開始、
数秒後 大変迷惑な更新完了をおえてしまったようだ。

「臣さんってば・・・」
聞いてるんですか?・・・・とまだ 臣の頭を抱え込んだままの
啓太がもう一度問いかける。
さっきから、固まってしまったかのように自分の嫁は動かない。
先ほど何となく 背筋に悪寒が走ったような気がするのは気のせいか・・・
露天風呂であんな事したから風邪を引いたのかもしれない・・・
あーあ。社長にはバレバレだし 俺恥ずかしいよ・・・・。
と臣の黒い企みには気づきもせずに出来たてほやほやのコブを心配しながら、
黙ったのままの妻の答えを待ってみる。

・・・。5分待っても答えが返ってこない、あーあ・・こうなってしまったら
子供みたいな俺の奥様は真実を飲み込んでしまって、
きっと本当の事を言いそうにも無い。
それは随分と長い間一緒に居て解った事だ。
伊達に夫婦をしてきた訳じゃない。

でも、今回は二人だけの問題じゃ無かったから
このままうやむやには出来ないし
夫として妻の非礼を許してもらいに 心配をかけてしまった社長へ
謝りに行く必要があるのだ。

臣の頭を抱えていた腕を解き腰を屈めたままの啓太が
ゆっくりと膝を折り曲げて臣と目線を合わせる。

今度は銀髪の長身を見上げる形になった。
ふーっとため息を付きながら根負けした様子で旦那様は

「もう・・仕方ないんだから・・・あとで社長に謝りに行きましょう?二人でね?」
「ね?」と上目使いのまま紫の瞳を覗きこんでくるから・・・・

その様子があまりにも可愛くて辛抱たまらず、むぎゅーっと抱きしめて
舐め転がしたくなったけれどここはひたすら我慢、我慢の子だ。

下手に動いて、誤魔化しが利かなくなってしまったら全てが水の泡なのだ。
ここが攻め時、落とし時。待ちかねていたチャンス到来だ。

心の中で般若心経を唱えて 暴れまくる欲望を必死に押さえ付けながら、
可愛い旦那様に向かって真摯な(ように見える)
謝罪の意(ほんとは悪いなんてこれっぽっちも思ってやしない)を述べる。

「・・・はい。ごめんなさい・・・。旦那様」

しょぼ――――ん。(と見える顔つき。効果音付きだ)
・・・・・・・・・。


あ・・・やっぱり、ちょっと芝居じみていただろうか・・・・??

一瞬 ばれてしまったのではないかと内心ビクビクで
そーっと旦那さまを伺い見ると、困った顔ではいはいと頷いてくれたから
どうやら今回はうまく乗り越えられたようだ。

ああ。啓太君!!素直な君が大好きです。
と心の中で雄叫びを上げながら ガッツポーズ・・・・。

「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。悪いのは全部僕です。
こんな僕は市中引き回しのうえ、張り付け獄門の刑に処されるべきなんです。
嗚呼、旦那様短い間でしたが、こんな僕と一緒に居てくれてありがとうございました。
旦那様と過ごした日々は幸せでした!!!僕の事、忘れないでください旦那様~」

全くもって心のこもっていない棒読みで ガバっと抱きつきながら
旦那様に猛烈大大大反省している事を伝えてみる。

「もう。大げさすぎます。臣さんたら」

なんて 可愛く言われたら 
百万回、般若心経を唱えたって我慢できなくなるじゃないか!!
と心拍数を急激に 上昇させた奥様は
啓太君・・・と甘く名前を呼びながら
ドサクサまぎれに 細くて白い美味しそうな首筋に 鼻先を擦りつけてみたりなんかして。

幸いにも、旦那様に突き飛ばされる事は無かったから
そのままここぞとばかりに調子に乗った奥様は
愛する旦那様とイカガワシイ行為にもつれ込んでしまおうと画策する。
 
「!!!」

突然 ズキリ。と奥様は頭上に激痛を感じて 旦那さまから弾かれる様にして離れた。

「おーみーさーん。駄目ですよ~!!」

社長に謝りに行くのが先ですと、たんコブをぐりぐりされて旦那様に戒められる。
涙目で 酷いです旦那様・・・。と抗議をしてみたけれど、
どうやら今度は さすがに誤魔化されてくれそうになかった。

嗚呼。仕方ない、今度は物理の公式でも唱えるとするか・・・・
それもトビきり 小難しい奴だ。

ひとり不平をぶつぶつ言いながらうな垂れる。心なしかコブの痛みも倍増である。


奥さまは 自分より小さな手にぐいぐい引っ張られながら
西園寺の居そうな所を探すべく 長い静かな廊下を連行されていく。

幾つものドアを抜け旦那様にズルズルと引きづられる様にして 
西園寺が休んでいると思われる特別室のドアの前へと到着した。 
小さな子供のように 不貞腐れたままの銀髪の長身を 見上げる様にして
旦那様の 桜色の唇がそっと呟く

「さあ、ちゃんと謝りましょうね?続きはその後で・・・ね?」


「!!!」
(続きはその後で・・・続きは・・・)

旦那様の艶やかな唇と「ね?」という甘い言葉がリフレインして脳内を埋め尽くしていく。

ぱああああ・・・と眩いばかりの光が天から射して奥様の身体を包み込み
空中で舞う可愛らしい天使たちが
祝福のラッパを吹きならしながら、薔薇の花弁を臣のタンコブへと蒔き散らして・・・・・。

Oh!!!Dieu!!

あまり 口にした事もない神への祈りを唱え 
奥さまは身悶えしながら幸せにどっぷらこと浸ってしまっていた。
多分、いやいや絶対に このにやけた顔のまま
西園寺に謝罪を述べたとしても 全くもって反省の色なし!!と
一刀両断されてしまうのは目に見えていたけれど、そんなことはどうでもいい。

本当にこの可愛い愛しい旦那様には困ったものだ。
これ以上、僕を狂わせて一体全体どうしようと言うのだろう。
百万に一つも可能性は無いと言い切れるけれど、
実は超高額の保険金が自分に掛けられていて 色仕掛けで煽るだけ煽って
興奮のあまり脳の血管をぶっちぎれさせ ぽっくり逝くのを待っているのだとしても
それはそれで許せるかもしれない。


さあ 臣さん!!行きますよ!と可愛い旦那様に促されて 
はいはいと素直に付き従う その長身の後ろには
黒い羽根もとがった尻尾も無くなっていて、
ただ大きなふさふさの 犬の尻尾が揺れているばかり・・・・。


後に、この高級老舗旅館のセキュリティーが
西園寺の手により再強化されたことは言うまでもない。


すみません。番外編終わりです。
誰が何と言おうと終わりです。
一体どこが 湯けむり慕情大作戦なのか??
うふふ・・・。あはは・・・。
じゅえる何いわれてるかわかんなーい・・・的な・・・。
書けば書くほど臣さん変な人。でもそんな臣さんが好き。
最後までお付き合いくださいました、優しい貴女に
小さな幸せがありますように・・・。


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