ええ。小心者ですから・・・。

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臣嫁日和シリーズ


臣嫁日和番外編 ~世界で一番君が好き~4

2010.04.30  *Edit 
▽TB[0]▽CO[0]

うう・・・。
か、身体が非常に辛い・・・。
どうして月曜日だと言うのにこんなにも疲労困憊していなければならないのだろうか

啓太は洗面所の鏡の前にたって自分の眼の下にくっきり浮き出ているクマに
そっと指を這わせて溜息を吐いていた。

・・・・疲れの原因・・・。そんなの決まってる。
奥様が・・奥様が・・・寝かせてくれなかったのだ。

思い起こせば金曜の夜から奥様の様子が変だった。
和装で出迎えられて奥様が含まれていない 選択肢を聞いた所で
オカシイと気が付けばよかったのだ。

何年夫婦やってんだ俺・・・。
 
後悔の念が頭をよぎる。
一緒に過ごした時間の分だけ 変幻自在に繰り出される奥様の
巧妙な罠をなんとか事前察知出来るくらいにまでは
成長していると思っていたのは自惚れだったのか・・・・。

ずーん・・・。
何かに負けた様な気がして どえらい敗北感が旦那様の疲れ切った背中にのしかかる。

結局あれから本当におやすみからおはようまで、
更に有ろうことかおはようからおやすみまでいろいろ色々 致されてしまった。
そんなの らいおんちゃんに失礼極まりない。
そんな事の為に有る言葉じゃないのに・・・。ごめんね らいおんちゃん。

旦那様のせっかくの休日は金曜の夜から土曜日まで
延々と肉体労働に費やされ、
やっと解放されたのは土曜の深夜だったから
日曜日は当然の如くベットから起き上がれる筈もなく 
一日中寝室の住人だったのだ。
したがって 月曜の朝は病み上がりの病人の様に身体中の関節がぎしぎしと痛んだ。
心なしか疲れも取れてない気がする・・・。

だが嫁は・・・・。
嫁だけはすこぶる つややかで憎らしいほどに・・・・・・・元気だった
その事も やけに旦那様の癇に障っていた事も事実だ。

もうもうもうもう――――――!!
こんなんじゃ 一週間持たないよっ!!臣さんのバカっ!!

怒りに任せ ばしゃしゃと水しぶきを飛び散らせながら
旦那様はとびきり冷たい水で顔をあらうのだった。


「いってらっしゃい」

ときれいな長い指が細い顎先にかかり、そっとすくい上げる。
紫色の瞳がゆっくりと閉じられて、そのけぶる銀色のまつ毛に縁取られる。

「・・・・。」?

いつものように柔らかな唇の感触が一向に感じられなくて、
はたと閉じていた瞳を開けてみれば、何故だか愛しい旦那様の手で
シッカリと二人の間は分け隔てられていた。
もごもごと口を動かして抗議をしてみるも、いかんせん言葉を発することが出来ない。
それに真正面にいる大好きな空色の瞳はそっぽを向いていて、自分を映しては居なかった。



「わわわっつ!!」

弾ける様に旦那様が慌てだして、奥様の唇の差し障りがほどかれた。

「何するんですかっ!臣さん!!」
「何って・・・啓太君こそ何するんですか?」

ぺろりぺろりと押さえ付けていた掌を舐られて 旦那様はくすぐったさに
つい手を離してしまったのだ。

「う―――。何って・・キスは駄目です!!俺 怒ってるんですからね!」
「すみません・・・」

あ―――――!!もうそうやって謝ればいいと思っているでしょう??
心から反省してないくせに駄目じゃないですか!!
大体 俺がなんで怒ってるのか解ってんですか??


柔らかな色合いの朝の玄関先。
いよいよ我慢ならなくなった旦那様が ぷりぷりと奥様に説教を始めてしまった。
しかしもう、出かける時間が迫っているせいか、若干早口で捲し立てている。

ほんの少し ほんの少しだけ小さくなって、うんうんと頷いては居るが、
さすが旦那様の思った通り 奥様は全く反省していなかった。

右の耳から左の耳へと完全に受け流されていたのだった。
「馬の耳に念仏」は奥様の為だけに有るようなコトワザだ。



ああ・・・。僕の行動に対して何やら不平不満を爆発させて
ぷりぷりと怒る様も なんと旦那様は愛らしいのか。

叱られていてもいい。
啓太君が僕の事を見つめていてくれるなら。

大好きな空色の瞳に自分が映っていない方が悲しかったから。

その澄んだ優しい瞳に映してもらう事こそ、自分の存在意義なのだ。

ふふふ・・・。 お説教も愛しい人の声で叱られると
何だかクラッシックの調べに聞こえて来ますねえ・・・。

んー・・うっとり。

こんな時、ドリフタ-ズのリーダーなら完全に
だめだこりゃ・・と言ったに違いない。

まだまだ、言う事が山ほどあって、お説教は続けたそうだったけれど
スーツの袖から腕時計の時間をちらりと確認した旦那様は
うわっ!と慌てて奥様の腕に大切に抱え込まれていた茶色の鞄をひったくって、
皮靴を半分 引っかけたまんま玄関ドアを開けて出て行ってしまった。

でも ドアが閉まる直前にほんの僅かな隙間から
すこし不機嫌な声ではあったけれど

今日は少し遅くなりますから。
と忘れすに言ってくれる所が、旦那様らしい。

重いオークのドアが旦那様の姿を隠して
ぱたん。 と音を立てた後、かちゃりとオートロックが掛る。

奥様は広い玄関ホールに立ち尽くしたまんま ほう・・・と一つ息を吐いた。

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