ええ。小心者ですから・・・。

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お誕生日企画


啓太君お誕生日企画!! 『星に願いを・・・。』(後篇)

2010.05.13  *Edit 
▽TB[0]▽CO[0]

「うっわ・・・!!凄・・い」

窓を開けて出たベランダで 見上げた夜空は満点の星空だった。

降って来そうな位に、一面に星たちが瞬いている。
都会の明るい空では見る事が出来ない等星まで ほら!ここにいるよ!とばかりに
自己主張してそれぞれ輝いていた。
凄い!凄い!凄い!
360°ぐるりと回っても星!星!星だ。
うわーっと口を開けて両手を広げて夜空を見上げたままの俺は、
平衡感覚を失ってしまって ぐらりとよろめいてしまった。
次に来る衝撃を覚悟して、きつく目を閉じたけれどそれはふわりと
恋人に阻止されたようだ。
振り向けば、ニコニコ顔で俺を見つめたままの七条さんが手にブランケットを持って
俺の腰を支えてくれていた。

「あ。ありがとうございます。」

「伊藤君、それじゃ首が痛くなってしまいますから」
ここへどうぞ。とベランダへ高そうなブランケットが躊躇なく敷かれる。
脇にはいつ用意したものなのかバスケットに入ったポットやらカップやら
お菓子達が顔を覗かせていた。

「わ!ピクニックみたいですね!」
「ふふ。気に入っていただけましたか?」
にこりと笑って さあ。と手を引かれ 
ふかふかのあったかいブランケットの上に足を踏み入れる。

ちょこんと 七条さんの隣へと体育座りした俺に

「ふふ。伊藤君。違いますよ。こうするんです」

と言って 俺の恋人は敷物の上にごろりと寝転んでしまった。
ぽんぽんとブランケットを叩いて同じようにする事を促すから
俺もごろんと横になる。

「!!!。これ。最高ですね!!」
寝転んだ俺の真上に広がる満点の星空。
視線の端から端まで全部、星。
すごい!今この景色を俺達二人きりで独占している錯覚さえ起こす。

「良いでしょう?これ。」
はいっ!!と勢い良く返事をして顔の向きを変えるとすぐ近くに 
寒くないようにと胸元にまで もう一枚のブランケットを引き上げた
恋人の綺麗な瞳がこの上なく優しく笑ってた。


七条さんのお父さんと色々あって、別れてからすぐに
慌てて電車に乗って 七条さんが予約をしておいてくれたコテージにたどり着いた。
そこは木の良い香りのする小さな可愛いログハウスだった。
万事 準備に余念がない七条さんは、すでにケータリングを頼んでいてくれたみたいで
着いてすぐ 特にする事も無く豪華で美味しいごちそうに有りつけた俺は
超大満足の幸せMAXだった。
それにログハウスには小さいけれど かけ流しの温泉も付いていて、
もうもう本当に最高に気持ちが良かった。

この完璧な誕生日プレゼントを贈ってくれた七条さんに
俺はどんな感謝の言葉を送ったらいいか判らないです・・・って言ったら 
にっこり笑って、まだプレゼントは渡してませんよって
言うからビックリする。
こんなに素敵な出来事よりも、まだ更にプレゼントがあるなんて思いもよらなかったから。


だからさっき・・・。
さあ。こちらです・・と手招きされて 
窓を開けて 出てみたベランダで 俺は言葉をなくしたんだ。


「ふふ・・もうすぐ始まりますよ」
「?へ?何がですか?」
二人してふかふかの毛布にくるまりながら、
うっとりと夜空に丸ごと包まれている感覚にさえなっていた俺に
腕時計を確認しながら 七条さんは何かの開始を告げたんだ。

「!!!あ」

ひとつ。
またひとつ。


光が長い長い尾を引いて地上に落ちていく。
それは一瞬の出来事で。

また。
こっちも。
あっちにも。
次から次へと星々は弧を描いて 地上へ吸い寄せられるように流れていく。

コレは・・・
この普通じゃない流れ星の量は・・・。

「流星・・群??」
「正解です。今日から明日未明にかけて 水がめ座流星群の最大出現日なんです」

「・・・プレゼントって・・これ??」
「はい。気に入っていただけましたか?」

良く出来ましたとばかりに 寝転んだまんま
そっとこめかみに一つ 小さな口づけを落とした七条さんはすごく嬉しそうだった。

もう!もう!もう!なんて事を考え付くのかこの人は・・・。
嬉し過ぎて ただもう、ぶんぶんと首を縦に振るしか出来ない俺の事を
流れ星のような髪を持つ恋人はそっと ぎゅっと抱きしめてくれた。


「あ!また!!」
「ふふふ。」


「♪~」
・・・。
優しく甘いテノールで、子守唄みたいに ゆっくりと静かな声で七条さんが歌い出す。
これは・・この歌は。

そうっと不思議そうに紫の瞳を覗きこむ俺に、流暢なフランス語で
彼はそっと呟く。

「Lorsque Vous Souhaitez sur une Étoile・・・
星に願いを・・・。 ですね・・・。」
嘘をつくと鼻が伸びちゃう木で造られた人形が ついには良い心を持って
人間の男の子になる有名なお話のアニメ映画の中で
流れていましたよ?と教えてくれた。

「あの・・お父さんも・・」
「?」
「七条さんのお父さんも・・それ・・歌ってました・・。」
「!!」
言おうかどうか躊躇いながら、でも何だか言わなくちゃいけない事の様な気がして
俺は七条さんのお父さんが海を見つめながら歌っていた事を話したんだ。

そうですか・・・。と言ったきり しばらく何も言わずに黙っていた恋人に、
俺はもしかしたら言っちゃいけない事だったのかな??と後悔しながら
視線を逸らして、夜空へ移した。

満点の空から また次々と地上へ星々が引き寄せられる。
このまま空にある星 全部、今夜落っこちて来てしまわないか心配になる。

「ふふ・・小さな僕は・・たくさん、たくさん・・・星に願い事をしましたよ・・・」

でも・・殆んどはかなえられない願いばかりでしたけれど・・・
と 隣に居る七条さんが今どんな顔をしてそれを呟くのか
俺は怖くて見る事が出来なかった。


「臣、嘘をついてはいけないよ・・・」
「?」
「ふふ・・・これがあの人の口癖でした。」

ゆっくりと思い出話をする七条さんは、 
お父さんの事。
お母さんの事。
家族で過ごした日々の事・・・。
まるで、本を朗読するように淀みなく俺に話してくれた。

「あの人は本当に正直な人なんです。馬鹿みたいにね・・・」

好きな人が他に出来ちゃったんだ。どう思う?と正直に母に打ち明けた事が
離婚の原因だったんだとつい最近聞いた時には、どうしようもなく脱力しましたよ・・・。
母も相当、短気ですからねえ・・・。

しかし・・また・・どうしてあんな人と結婚したのやら・・・。
とそう言って七条さんは呆れたように ふふふ・・っと笑ったんだ。

「星の事もさっきの唄も・・あの人が教えてくれました。忙しい仕事の暇を縫うようにして 
良く星の見えるヨットハーバーに連れて行ってくれたんです。
父親らしい事は何一つしてやれなかったと言われましたが、
今回 伊藤君の誕生日に役に立った知識ですから、充分 父には感謝していますよ?」
そう言って、おどけて片眼を閉じて見せた。

「だから・・ねえ・・伊藤君そんな顔をしないで・・・。」

そっと頬に触れられた長い指で 俺は自分が知らないうちに
七条さんの胸元をぎゅっとつかんで泣いていた事を知った。

「あ・・俺・・・」
七条さんの方を向いたままで、涙がどんどんあふれてくるから
右の眼から自分の左の眼へと涙が流れていく。
たちまち目の前の七条さんが霞んで 見えなくなってしまった。
それは優しい指で受け切れなくなって
やがてぽたぽたとブランケットに吸い込まれていく。

降って来そうな夜空の星の瞬きに、
小さな七条さんはどんな思いで願いをかけたのか。
それを思うと胸がぎゅーっと締め付けられる。
きっと誰かに優しく抱きしめて欲しかったに違いない。

「伊藤君。ありがとう」
聞こえるか聞こえないかの囁きが俺をますます泣き虫にさせる。
だって、泣きたいのは七条さんの方じゃないか・・・。

わんわんと子供の様にしゃくりあげて泣き続ける俺に
宥める様に優しく言葉が降り注ぐ。

「ねえ。伊藤君・・・父と母が離婚しなければ、僕は日本へ来る事がなかったかも知れません。
だから負け惜しみではなく、本当に僕はこの運命に感謝しています。
それに、僕がこんな風に考えられるようになったのは君に出会えたからなんですよ?」

僕は伊藤君に会えたから、強くなれたんです・・とそう言いながら
涙でぬれた 両頬を大きな両手でそっと包まれて顔を上向きにさせられる
当然、俺は反射的に首を振っていやいやをしてしまった。

だって・・・。いま、涙や鼻水でぐちゃぐちゃの相当酷い顔だ。
こんな顔見せられる筈ない。
でも、恋人はそれを許してくれなかった。

「お誕生日おめでとう。君が生まれて来てくれて良かった。君が僕を選んでくれて
良かった・・。愛しています・・・。」

「!!しち・・んんんん――――っ」

涙も鼻水もお構いなしに、強引に唇を塞がれて、口をこじ開けられて舌が侵入してきた。
泣いたせいで鼻が詰まって 上手く呼吸することが出来なかったから
どんどんと胸元を叩いて、速攻ギブアップ宣言するしか無くなる。

「ぷはっ!!」
はあはあと肩で息をする七条さんは、当然のようにティシュを片手に俺の鼻水を
拭きとろうとするから、

「それ位、自分で出来ますっ!」
と 手からティッシュを奪い取ってごしごしと乱暴に拭いとった。
追加のティッシュを差し出しながら、俺の綺麗な恋人は

「ふふ。しょっぱいキスでしたね」

なんて言うから、もう・・・なんて言うか・・俺、何だか物凄く
居た堪れなくなるじゃないか。

いつの間にか涙もすっかりひっこんでしまって 山盛りのティッシュを握りしめたまま、
う~っと呻っている俺に向かって

「ふふふ。どんな伊藤君だって僕は必要なんです。」
とさらりと何でもない事の様に言わないでほしいよ・・・
鼻水がくっついたら、俺、どうすればいいんだよ。
ずずーっとまだ詰まった鼻をすすると そっと首をかしげた七条さんは 
俺の強く擦って赤くなった鼻先にそっとまたキスを落とした。


そう言えば・・・・と 律義に俺の鼻水やら、涙やらをふき取ったティッシュの山を
くず入れにポイポイと放り捨てながら、思い出したように
昼間の出来事を振り返った様子の七条さんはおもむろに俺に向き直ってから

「伊藤君、一体、父に何を言われたんですか?」
と聞いてきた。
七条さんのお父さんには臣には秘密だよ?と念押しされている


「え?え~っと・・・。な・・内緒です!!」

とっさに七条さんの得意技を真似して綺麗な紫の瞳を伺いみる。
おや・・と言ったきり、では仕方がありませんねぇ・・と
どうやら ここは一旦引いてくれる様子だったから、あからさまにほっとする俺がいる。
だって七条さんに問い詰められようものなら、すぐにでも白状してしまいそうだよ~。

「全く、あの人にも困ったものです。」
と今日の事を思い出しているのか何かぶつぶつと文句を言いながらも
その横顔には暗い影は全く見当たらなかったから、
ひょっとすると本当に七条さんの中ではもう
過去の出来事は吹っ切れているのかもしれない。

あの拉致事件があった位から、時々 連絡を取り合っているんですよと
さっき言っていたから、少しづつではあるけれど この親子の関係も
良い方向へと動き出しているのかもしれなかった。


「臣の事、お願いします。」
恋人と同じ紫の瞳をもつ、その人は言った。

彼は彼なりに、きっと自分の子供を思っているのに違いなかった。
お互いに、言葉にだして上手く伝えられなくても 辛く悲しい事が過去に
有ったとしても、長い時間をかけて 少しづつでも歩み寄って、
いつか本当に笑い合える日がくると信じたい。
俺はその日が来るのを七条さんの隣で見てみたいと思ったんだ。







相変わらず、星がたくさん空から落ちてくる
大きくなった俺たちは 星が願いを叶えてくれない事を知ってしまった。
そして、その願いは 他の誰かが、叶えてくれる物でもない事を知っている。


「七条さん。俺!!ずっとずっと七条さんの隣に居たいです」

「・・・。伊藤君・・・。キミって人は・・・。」


今日も明日もその次も
ずっとずっとこの人の傍らに寄り添って過ごしていければいいのに。
なにがあっても、俺は・・・俺だけはこの人から離れたくない。

七条さんが俺の事を必要なんじゃなく 俺が七条さんを必要なんだ。
大好きで大好きで仕方ないこの人が笑ってくれる事が、俺の一番幸せだ。

この世に生れて、七条さんと出会って・・・。
そして今日この日、二人で誕生日を迎えられた事がなにより嬉しい。


ゆっくりとゆっくりと長い指先が俺のあちこち向いた髪を優しく撫でとかしていく
いつのまにか 俺に覆いかぶさるように身体を預ける七条さんの
肩越しに また一つ流れて行く 星が見えた。

その夜、俺と七条さんは
ふかふかの温かなブランケットの中 
降り注いでくる星と同じ数だけ優しい口づけを交わした。



ぷは―――――!
やっと・・やっと終わった・・
苦労して書いた割には啓太君お誕生日お祝いになっていないような??
臣父主役編!みたいな・・・。ごめんなさい。
今回UPに大分時間がかかったのは色々話が浮かび過ぎて
まとまらなくなったせいでして・・・・。
あれもこれもと詰め込み過ぎて、訳が解らない文章がさらに
酷い事になっておりまして。削る作業に時間を取ってしまいました。
ここはひとつ・・・啓太君のお誕生日に免じてお許し頂ければ幸いです。
改めまして・・・啓太君!お誕生日おめでとう!!!!
ここまでお付き合い頂きまして有難うございます!
優しいあなたに星の加護がありますように・・・。


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